合皮の鞄の傷や剥がれ。しばらく使っていると、持ち手が擦れたり、表面に細かい引っ掻き傷が出来たり、角擦れが出来たりしてしまいがち。
傷がつくと下地の薄い色が出てきてしまい、気になりますよね。
お気に入りの鞄を長く使うための補修方法、修理方法を詳しく解説致します。
目次:知りたい箇所へジャンプできます。
表面などに出来た引っ掻き傷の修理方法・補修方法
鞄の表面にできた傷は、本革の靴と同じような補修方法で直しましょう。
浅い傷専用の補修クリーム
コロンブス社より擦れ傷、剥がれのような浅い傷専用の補修クリームが
販売されています。
コロンブス アドカラー
色もよくつき、付けた箇所が固くなってしまったり
剥がれやすいということもありません。
アドカラーは13色で販売されている商品で、
絵の具のように色を混ぜて使うこともできます。
色が合っていないと、補修した部分が目立ってしまいますが、
上手に色合わせすることで回避できますね。
まずは目立たない部分で試してから補修したい部分に使ってみてくださいね。
☆補修クリームを使った補修方法☆
① 傷付近を布やブラシを使ってほこりや汚れを落とします。
② アドカラー同士を混ぜ合わせて、鞄の色に合わせます。特に茶色は、靴によって微妙に色合いが異なりますので注意しながら混ぜていきます。少し薄めの色づくりを心掛けると周りの色にうまく馴染みやすいようです。ちょっとこってりとしたクリームなので、水を少量加えるとよいでしょう。色作りが終わったら目立たない部分で試します。
③ 傷の部分にアドカラーを塗り込みます。指に少量とり、指先でなじませてから小さくくるくると円を描きながらなじませていきます。布に少量とり布になじませてから同じように補修していってもよいと思いますが、指のほうがより繊細に作業できますので、特に小さな傷の場合は指先での補修をおすすめします。コツはアドカラーがいきなりべったりつかないように作業すること。指でも布でも、いったん指や布になじませてから補修してみてください。
このアドカラー、とっても優れた商品なのですが、
1本310円と少々お高いのですね。
黒はいいでしょう。黒色1本で補修できますので。
しかしそれ以外の色、特に茶色は微妙な色合いの再現をするために、
単色1本購入して補修することは難しい場合が多いはず。
アドカラーも、茶、薄茶、濃茶、キャメル、スカーレットと
茶色に関しては多色展開をしてくださっていますが、
それでも若干黒を混ぜたり、茶同士を合わせたり、
黄色や赤を混ぜたりしないと、微妙な色合いの再現は難しいのですね。
そこで、ちょっと裏ワザ的な補修方法をご紹介いたします。
裏ワザその1。アクリル絵の具を使った補修方法
アドカラーの代用として、アクリル絵の具を使用します。
アクリル絵の具でしたら、100均で販売されていますので、
アドカラーに比べると1/3の価格。
黒、茶、黄、赤4本を買ったとしても、400円ちょっとの出費で済みます。
☆アクリル絵の具を使った補修方法☆
補修方法はアドカラーと全く同じです。
色合わせ、そして周りとなじませることがポイントですので、
このあたりを意識しましょう。
アクリル絵の具は、乾いたら色が濃いめ、暗めに落ち着くものなので、
若干薄め、明るめに色づくりをしましょう。
また、乾くまでは水溶性ですが乾くと落ちません。
指についた絵の具も落としにくいので、服にはつかないようご注意下さい。
鞄用の商品を利用しているわけではありませんので、
塗り方によっては、補修部分が割れてきたりすることがあるかもしれません。
あくまで裏ワザ、自己責任でお願いいたします^^
裏ワザその2。クレヨンを使った補修方法
子供が使う、お絵かき用のクレヨンを使った補修方法もあります。
お絵かきクレヨンならお子さんのいらっしゃるご家庭なら
ほぼ自宅にあるものですので、入手する手間や時間、費用を省けますね。
その柔らかさから、少々の傷なら傷を埋めるパテの役割も果たしてくれます。
但し、色の調合はできませんので、鞄の色に合うクレヨンがある場合に限られますし、
特に肩から提げる鞄の場合、服に着いてしまうリスクがあります。
少々色が違っても目立ちにくい小さな傷や、服に擦れにくい部分の傷向きの補修方法と言えます。
☆クレヨンを使った補修方法☆
クレヨンを使った場合の補修方法は以下の通りです。
① 傷口付近を布やブラシを使ってほこりをはらいます。
② 鞄の色に合ったクレヨンを傷に塗り込みます。
③ 乾いた布で傷全体を拭き取ります。クレヨンは、アドカラーやアクリル絵の具のように乾くことはありません。余分なクレヨンを落とすことで、誤って服などに付いたとしても最小限の汚れで済むようになります。また、周囲とも馴染みやすくなります。
鞄の持ち手の擦れの修理方法・補修方法
持ち手に出来た擦れ傷は、表面の傷と同じく、アドカラーやアクリル絵の具を使って
補修することもできますが、以下のような方法もあります。
持ち手ごと取り替える
特に持ち手はよく使う部分ですので、傷みが激しいことがよくあります。
傷みの部分が持ち手の広範囲にわたるような場合は
鞄に合うような持ち手を探して、交換することを検討してみましょう。
持ち手は、ネット、手芸店、レザークラフト店などで購入できます。
革やリボンを巻き付ける
交換できないような持ち手の場合は、革レース(革ひも)やリボン、布などを
巻き付けてみましょう。
革ひもは、「革ひも」「革レース」で検索するとネットでも購入できますし、
手芸店、レザークラフト取扱店などで入手できます。
厚みの薄いものが巻きやすく、補修後も持ち手が太くなりすぎることがありません。
巻き終わりは中に引き込んで、皮革用のボンドでとめましょう。
鞄の雰囲気に合う、リボンや布を巻き付けてしまってもよいですね。
バッググリップを使う
バッググリップという商品があります。
検索するとすぐに出てきますよ。
よく持つ部分のみの傷みであれば、バッググリップで隠すと同時に
保護することも検討してみてくださいね。
革の持ち手で、おしゃれな雰囲気にもなりますよ。
鞄の角擦れの修理方法・補修方法
角の擦れ傷は、基本的には表面の傷と同じくアドカラーやアクリル絵の具を使って
補修するとよいのですが、縁取りやパイピング仕上げの鞄であれば、
以下のような方法もあります。
シート補修キットを使う
シート補修キットという商品を使って、補修することができます。
黒や紺など、補修したい鞄の色に合うようならばシート補修キットを使ってみてもいいですね。
シートは薄いものなので、縁取りやパイピング仕上げの角に少々貼る程度ならあまり目立ちません。鞄との色が合っていることがやはり大切です。
☆シート補修キットを使った鞄の角の補修方法☆
① 傷付近を布やブラシを使ってほこりや汚れを落とします。
② 補修キットを、(縁取りを覆うまたはパイピングを巻き付けるのにちょうど良い太さ)×(傷を十分に覆う長さ)に切ります。
③ うまくカーブしながら巻いていけるよう、いくつか切り込みを入れます。カーブの部分が重なり合ってごわつくようなら、△の形状の切り込みを入れてもよいです。
④ 補修キットはシールを剥がして貼り付けていくことができます。しっかり貼り付けていない状態であれば、貼り直すこともできます。パイピング仕上げの場合は、マイナスドライバーなどを使って内側に巻き込むように貼り付けます。
まとめ
以上が、合皮の鞄に出来た傷や剥がれの修理方法・補修方法のまとめです。
合皮は一般的に、本革よりも経年劣化しやすく、全体がぼろぼろ剥がれてくるようで
あれば寿命と言えますが、たくさん使ったことによって出来た擦れや、
うっかり傷つけてしまった傷であれば上記の方法で十分に補修することができます。
どうぞ試してみてくださいね。