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子どもが左利きなら右利きに矯正すべき?矯正方法とメリット&デメリット

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赤ちゃんの手遊びで指の動きが鍛えられると、次第に右か左どちらか一方の自由に動かしやすい方の手を主に使うようになります。

体の動きが大きく・激しくなるにつれ、動きは習慣化し、利き手がはっきりとします。これが利き手の決定です。右利き・左利きはどのような違いがあるのでしょうか。

左利きは天才肌とも聞くけど、右利きの社会では左利きは矯正する方が子どものためなのでしょうか。矯正はできるのでしょうか。そもそも右利きと左利きの違いは何でしょうか。

子どもの利き手について、不安をお持ちの方へ気になることをお伝えしますね。

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子どもが左利きの様子。右手に矯正するべきなのか

クレヨンやはさみ、お箸など、道具を使うようになると顕著になってくる子どもの利き手。左利きの様子で、はさみやお箸を使いにくそう。

親は右利きだから教えにくいし、昔から左利きは矯正させられているようだし、せめてお箸と字は右利きが子どもにとっていいのではないだろうか‥。

最初は右も左も同じように下手だけど、利き手は遺伝や周りの習慣によって自然と決定されます。

また、親が意識してどちらか一方の手を使うようにすると、子どもも次第に慣れて利き手の決定に影響していきます。

しかし、そんな必要は全くありません。

本能で動かしている手をわざと制止し続けることは、少なからず子どものストレスになっていきます。その上、そのストレスが続くと、心と身体の成長に様々な影響があると言われています。

自由にさせて様子を見てあげてください。利き手が決まってくるのは、小さな子どもの意思決定の一つです。本能から自分の意思で利き手を選んでいるなんて、1人の人間であることを思わされますね!

いつ利き手は決まるのか?左利きと右利きの違い

子どもの利き手はいつ頃決まってくるのでしょうか。
先ほども触れましたが、クレヨン・はさみ・お箸などの道具、片方の手を使う動作が多くなると、右手か左手のどちらか一方を使うため、繰り返しているうちにどちらが使いやすいのかを本能的に決定していきます。

おすわり~ハイハイをし出す生後6ヶ月~生後一年辺りになると、赤ちゃんは自ら動きだします。この頃は利き手に関係なく、自分の右側にあるものを右手で掴み、左側にあるものは左手を伸ばして取ろうとします。

どちらともない両方の手をよく使えることがその後の発達にとても影響する時期です。パパやママは、赤ちゃんがどちらの手もよく使えるように周りにおもちゃを置いたり声をかけたり周囲から刺激があるといいですね!

アメリカの発達心理学者アーノルド・ゲゼル(1880~1961)によると、1歳~2歳には、手の動きも上手になり両手が使えるようになるそうです。2歳~3歳にはどちらか一方をよく使うようになるそうで、その後3歳~4歳には再び両方の手を使うようになり、4歳を過ぎる頃には右手・左手の利き手が定まってくるそうなのです!

つまり右利きの子も左利きの時期があったり、反対だったりするわけです。利き手が定まってくるまでの間は、遺伝以外の習慣や周りからの刺激により自分が使いやすい方の手を確立させます。

子どもは利き手の逆転が自然に起こり、次第に利き手が固定されていくので、親はその様子を決定することなく自然に見守ってあげられるといいですね。

利き手と利き脚

「利き手」とは、主要な手動作を行う側の手を指すことです。右利きか左利きか、その割合は国や習慣に左右される訳ではなく、全人類の90%は右利き、10%が左利きという、一定の割合で左利きが存在します。

チンパンジーやオランウータンなどは右利きは僅かに5%の割合と言われるので、理由は解明されていませんが人類に共通する特徴なのです。

手の動きの指令を出す脳は、左脳と右脳に別れ、左脳は「言語能力」を、右脳は「空間認識力」を司っています。脳から繋がる神経は首の辺りで交差しているため、それぞれの脳は反対側の手を動かしています。

左脳は「言語中枢脳力」つまり、言語を話したり理解したりする脳力を発揮します。

右脳は「空間認識力」つまり、物の位置・形・大きさなどを把握する力があり、それぞれの脳はお互いの能力を補って活動し、日常生活を不便なく過ごしています。

ここで左利きになる人の脳の特徴を3つお伝えします。
①左脳(言語中枢脳力)と右脳(空間認識力)を両方使うようになった人
→本来左利きだが、矯正や習慣である程度右手も使えるようになった人のこと。右利きの人と似た脳とも言えます。

②2つの脳の能力がそれぞれの脳に存在する人
→右利きの人はほとんどが言語を話すとき左脳しか働かせないのに対し、左利きの人の約4割は両方の脳を使っているといわれています。

③本来の左脳と右脳が反対側に位置している人
→こちらは、本来の位置がまるきり反対になっているため、利き手も脳と平行して本来とは反対になる=左利きになります。

この3パターンです。

①も②も、訓練や習慣・元々の構造から両方の脳を活発に使う人がいるということがわかります。そのようなことから、アーティストやスポーツ選手、理系・文系に秀でた人が左利きに多いのではないか、と言われています。

左利きの人が必ず天才であるという訳ではなく、両方の脳をうまく刺激して使ってきたことで磨かれる能力があるということですね。

また利き手と同じく脚にも「利き脚」があります。2本脚で立って同じ力で踏ん張っているようですが、実は片方の脚が身体を支え、もう片方の脚はこれからの動作のスタンバイをして休ませているのです。力強く身体を支えている方の脚が「軸足」となり、次の動作で素早く正確な動きを繰り出せる脚を「利き脚」となります。

サッカーの動きがとても分かりやすい例です。サッカー選手は必ず軸足で踏ん張って、利き脚でここぞという一番のスピードと性格さでドリブルやシュートをするのです。

利き脚は、利き手とは特に関係ありません。左利きの人は左足が利き手と利き脚という訳ではありません。

いつ右利きに矯正させるの?その方法とメリットデメリット。

世の中は9割りの人のために右利き用に作られています。

駅の改札口、自動販売機、マウス、テーブルセッティング、スポーツ用品等は数が少なく高価である‥。文字は右から左に書くため、書いた文字を手で擦ってしまう左利きの人は手が汚れる、食事の際は右利きの人と食器を持つ手がぶつかり合い肩身の狭い思いをする、包丁は使いにくい、などなど、生活面での不便を避けることは難しいです。

少しでも子どもが不自由ないように、右利きにも慣れて欲しいと思う気持ちもあるでしょう。右利きに慣れさせる矯正は、利き手が決定するかしないかくらいから両方の手を使うように意識して導いてあげるのがいいでしょう。

子どもが右手で物を受け取りやすいように、右手を出すように促したり、差し出した左手を(あくまでそっと)納めて右手に変えてみたり。

はさみやスプーンなどは、右手に持たせてみて使いやすさを実感させたり。子どもが自然と「やりやすい手」を選んで右手に変えてくれることが大切です。

もしも、子どもが納得できなかったり、全然うまくいかずにイライラしていたら、使いやすい手を自由にさせてやりましょう。

うまくいけば、食事や文字は右利き、スポーツは左利きなど使い分けられたり、「両利き」になって、片方の手しか使えないときなどはかなりの利便性が増すかもしれません。

大きくなるにつれて、短期間で利き手を変えることは困難になってきます。
ですが、大人になっても、長期間の反復と訓練によって利き手に負けないくらいうまく使えるようになることも不可能ではありません。

しかしそれは強い意志が必要なので、矯正させたいと願う親側もそのくらいの気長さと、「変えられなくても別にいいや」というくらいの思いで矯正に臨んで下さいね。

悲しいことに、左利きという少数派は、昔から偏見の対象とされ、矯正されていないと「育ちや教育が悪い」と避難されることもありました。

会社の上司や両親の世代は、左利きは矯正するものという考えの人も少なからずいるのは事実です。右利きに矯正する場合、ほとんどの方が幼少期に道具を使う際に無理やり右手での動作を指導されてほぼ強制的に怒られたり口うるさく注意されながら従ってきた方が少なくありません。

このような強制的な方法は、失敗や悪影響が出たときに大変なので絶対にやめましょう!
・どもる
・怒られてばかりで自己肯定感が持てなくなり、卑屈になる
・右と左がわからなくなって鏡文字を書くようになる
等々‥

そもそも自らの利き手を否定されることは個を否定されることであり、繰り返し否定されることは知らず知らずのうちに心的ストレスがかかり精神を病んでしまいます。特に小さな子どもの時は、否定される悲しみよりも誉められる喜びを伸ばしてやらねばなりません。

まとめ

いかがでしたか?
子どもの左利きは無理に矯正させる必要はありません!むしろ、色んな可能性があるのかも?!と歓迎してあげましょう!

社会に出て不自由無いようにと願う場合は、幼少期に両方の手を使うようにこちらから導いてみましょう!

子どもがうまく乗ってくれたら、楽しみながら両方の手を使えるようになり、結果子どもにとって便利な生活が送れるかもしれません。

最も重要なことは、「左利きであること」をマイナスにとらえないこと。コンプレックスを持たせないように、周りの大人が子どもを肯定をすることではないでしょうか。

ご参考になさってくださいね。

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